歯科内覧会について考察する
歯科医院の開業における内覧会の意義とは
ここ数年で歯科医院の数はたいへん多くなってきました。
1つの商店街の同じ並びに古くからある歯科医院、そして最近開業したクリニックまで何軒も歯医者さんがある光景を目にします。
そこで注目すべきは、最近の開業医のほとんどが行なう地域向け説明会、いわゆる内覧会ではないでしょうか?
歯科 内覧会の株式会社アルファージール代表取締役 小林が内覧会を考察しました。
患者が選ぶ時代?歯科医院がアピールする時代?
歯科医院の数が多くなると、おのずとユーザー側は「どこが良いのか?」という真理になります。
ラーメンと同じです。どうせ食べるなら今日は何の気分だ?安さか?有名店か?昔ながらか?そのような心理が新しい歯科医院を選ぶときに働きます。
ここで重要なことは、ほとんどの人がスマホ、つまりインターネットを使って調べるということなのです。
つまり、調べられたときに上位表示されていないホームページはほとんど意味がありません。しかも、せっかく良いホームページを作ったとしても、開業したばかりから大手予約サイトや医療情報サイトが上位を占めてしまって自分のホームページが出てこないという問題が起こってきます。
それでは、開業時における一般的な患者を獲得する方法とはどのようにすべきでしょうか?
紙とウェブを上手に使う
開業は情報を手に取ってもらうことが何よりも大切です。
方法として1番なことは「チラシ」でしょう。チラシにも手法があります。ポスティングや新聞折込、ぱどなどのフリーペーパーや、最近では高級マンション向けの雑誌に折込を入れてもらえるサービスや、郵便局が行なっているカモメールなども効果的だと思います。
そして、大切なことは「日時・時間」を印象付けることです。
内覧会や開業の日時、そして電話番号を記載するのであれば「●●日より治療予約開始」という記述も重要でしょう。
QRコードで簡単にホームページに誘導できることも有効です。
内覧会で失敗する
歯科開業の内覧会で失敗する理由はいくつかあります。
1.自分のやりたい治療をアピールしすぎた
2.ただ開業のアピールで終わった
3.人が集まらなかった
ではないでしょうか?それぞれを検証していくと分かります。まず
1.自分のやりたい治療をアピールしすぎた」失敗について。
内覧会というものはマス・マーケティングにおけるイベントと言えます。
マス・マーケティングは対象を特定をせず、すべての消費者を対象にしている事から保険診療を前提に治療をする歯科というジャンルにおいて、内覧会というものは開業告知のイベントに適しています。これに対して分別したニーズを引き上げることをセグメント・マーケティングと言います。これらはOne to Oneマーケティングとも言いますが、一人ひとり個別のニーズに対しての患者(顧客)の獲得はセグメントであり、ある一定の治療や内容を推せば推すほど対象者は来院をためらってしまいます。
自分に自身のある治療、やりたい治療をアピールする気持ちは分かりますが、主張が強いと「それ以外のヒトはおことわり」というイメージにつながります。例えば矯正歯科の開業告知においては、「矯正相談」ではまず患者は来ません。よほど所得や家族が多いところではないと難しいでしょう?ですが、「歯並び相談~お子さんの歯はこれから大丈夫?」などのアピールがあればどうでしょうか?
矯正歯科の内覧会で100人以上も来院者が来られるノウハウがあるのはそういうところなのです。
2.ただ開業のアピールで終わった」の失敗
これは多くの内覧会業者に言えることですが、ただ院内に貼り紙をたくさんし、院内の説明をして予約を促すもそれほど入らず、配った歯ブラシや粗品の数でカウントするものの、開業後にまったく患者が増えることもなく細々と診療してしまっているケース。
この問題には2点あります。
①ただの説明で患者のニーズ、悩みを掘り下げることが出来なかった(One to oneマーケティングが出来ていなかった)ということが1点。
②何のために、どのような効果や結果を求めて内覧会を行なったのかを考えずに行なった。
ということです。
認知を追うばかりに数を求めて質を失う典型ですが、駅構内や大型ショッピングモールでの開業であればこれらは「歯科がある」という認知を与えただけで十分な広告効果はありますが、立地によっては開業後に厳しい経営展開を余儀なくされます。
2の手、3の手を考えた増患戦略が必要であると言えます。特に、居抜き物件での開業はこのケースになりがちです。居抜きの場合どうしても以前のイメージや商業内容が全く違えど思ったように行かないケースもあります。
3.人が集まらなかった」失敗について
投下するコストをケチって、せっかく内覧会を行っても人が集まらなかった・・・ということも多く見られます。
自分では「このくらいで良いだろう」、自分では「この辺から患者は来る」という自分だけの根拠なき思い込みは大きな誤算につながります。
そして、逆に「人がそれほど来なかった内覧会」でも、その後に続々と患者が増える歯科医院もあります。
ただ共通して言えることは、手にとって残しておきたい情報としてのチラシではないでしょうか?
人が集まらなかった理由は、天候や気温、事件や事故、様々な外的要因が重なります。内覧会は日程が決まっているものですから変更は出来ません。ただ、そこも踏まえてのリスクヘッジをしておくことも重要です。
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