スタッフ写真の掲載について

ホームページにスタッフ写真は載せるべきか?

歯科コンサルティングを行っている中で、ホームページにスタッフの写真を掲載すべきか?という質問をいただくことがあります。
この時に、多くの歯科医師は経営的な考え方が出来ていないことからお話をさせていただいています。

結論から言えば、経営者の判断です。


 

企業経営で物事を考える

企業であればホームページなどに代表取締役社長であったり創業者の写真や挨拶分が綴られていることが多い。
クリエイティブな会社やベンチャー系の会社であればそれぞれ役員の写真やプロフィールが書いてあるのもよく見かける。

写真を掲載「する・しない」の判断分岐点の1つは『役員』であるかどうかだ。

役員は給料を貰わない。ボーナスもだ。なぜなら役員報酬という期末に前期の成績や業績を見て次期の報酬を決めるものであり、期中の特別手当などあるわけでないし、ましてや残業手当などもない。

だからこそ、自分がリーダーであり、責任者でありベンチャーとしての責任や夢の担い手としての意味合いで写真を掲載していることが多いと思う。

コデンタルの立ち位置を経営者が定める

かと言って、歯科において売り上げが上がって来て医療法人にすることはあっても、人材的な理由やベンチャー的な理由で歯科医師や歯科衛生士を役員に加えることは無いだろう。
もしかしたら、役員として長く勤めてほしいから連ねてもらうことはあるかもしれない。
しかし、通常役員というのは会社の株をパーセンテージで分けることになるから、そこまでの決裁権を与えたくないというので、昨今では『執行役員』という役職も生まれてきてはいる。

ここで考えたいのは歯科衛生士や歯科助手が、責任ある『役員』的な意思を以て仕事に従事できるかである。
これは歯科医院経営者の持っている経営力と落とし込みではないだろうか?

簡単に言えば、なんとなくウチは患者に対して責任ある『担当制でやってるからスタッフ社員は必須』という歯科医院もあるだろうし、「え~、写真はプライバシーが心配だから嫌です」で、掲載しない歯科もあるだろう。

問題は、従業員である雇用者の自分勝手な意思で経営者の意向を踏みつぶされていることが大きな問題なのである。
もしくは、歯科経営者が確固たる意思を持たずに判断を従業員にゆだねているということである。

どうして写真を掲載するか?

1人の歯科医院経営者は、

「私は院長であるから写真と経歴、所属学会を掲載しています。
これはなぜか?それは患者さまに対する責任と安心感を得て頂くためだからです。

当院では、歯科衛生士・歯科助手に関わらず、経営的な思考・姿勢、ホスピタリティ溢れる患者さまへの姿勢、そしてセミナーで学んだことや当院を通じて様々な資格を取ったことはホームページに掲載をしていただくようにしています。
これは、様々なリスクがあることも理解できますが、それ以上に患者さまにどのような経歴や技術を持ったものが自分に対し医療行為医を行っているかを広く知ってもらうこと、そしてまだ来ていない新規患者見込みの方が安心し信頼に値いする歯科医院であることへの認知であると考えています。

もちろん、それらの広報や技術の向上によって診療報酬であったり患者満足度や自費率の向上についてはしっかりと考慮・判断し、給与面に対価として感謝の気持ちを持ってお渡ししていく姿勢を当院は大切にしております。

ですが、もちろん強制ではありませんが、当院ではスタッフさんにはそのようにお願いしております」

と、面接時にお話をするように指導しております。
ここで意に沿わないのであれば入所をしなければいい訳ですし、この手法でやっておくと担当制にしやすい、売り上げノルマを立てやすいという経営的なメリットが多くあります。

写真を嫌がるスタッフは仕事を嫌がる

企業では上長の言うことは絶対です。
ブラック企業という意味ではなく、会社で上司が仕事を指示・命令し部下がそれを実行することに「やりたくない」はありえません。

ですが、歯科という業界は専門学校を出てそのまま入所する方が多いので学生気分のままで「なんとなく自己主張は今の世の中では言っても良い」という風潮にあるようです。
ましてや、数字(売上や目標)などをほとんど考えさせられないルーティーン業務の歯科では思考が固まりやすく、自分勝手な判断をしてしまうスタッフを育て上げてしまう事が多く見受けられます。

これらはひとえに、

・経営者に理念がない
・医院のビジョンを共有していない
・働く上での判断基準がデタラメ
・報連相が出来ていない組織

であるからです。

就業規則・勤務マニュアル等はあるか?

おおよそスタッフで問題を掲げる歯科医院は医院として掲げる理念、共有するビジョン、就業規則、勤務マニュアルなどが無いことが多いです。

ホームページの更新する担当制や、院内に置いておく手書きのクリニックニュース、リコールはがきの郵送リストなど、上げたらきりがありませんが、ホームページに掲載する写真ひとつにも多くの経営スキームにつながる経営者としての在り方があります。
それを適当にしても上手くいく医院はありますし、きちんと行うことで従業員満足度や向上、人としての成長につなげる経営者もいるということです。

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